世界100以上の国対応クラウドSIM内蔵スマホ「jetfon」の料金はお得なのか??

MAYA SYSTEMから2018年8月28日に発売されたSIMフリースマートフォン「jetfon(ジェットフォン)」。

FREETELといえば格安のPrioriシリーズやハイスペックなKIWAMIシリーズが有名ですが、jetfonはこれまでにない「クラウドSIMテクノロジー」を搭載したモデル。SIMカード不要で世界100以上の国と地域でデータ通信ができる“世界スマホ”です。

 

料金は安いのか?????

 

海外で通信をする主な方法として「国際ローミング」「プリペイドSIM」「レンタルWi-Fiルーター」がある。国際ローミングは、昔に比べればだいぶ値下げされつつあるが、それでも1日980円~と、他のサービスに比べて割高になることが多い。プリペイドSIMは安価なものが多いが、初心者が買ってAPN設定をするのはハードルが高い。レンタルWi-Fiルーターは事前の申し込みや返却などで手間が発生する他、荷物が1つ増える。

jetfon既存の海外通信サービスのデメリット

これらのデメリットを解消するのがjetfonというわけだ。料金は、アジアだと1日300MBプランが380円(非課税、以下同)~、7日1GBプランが980円~、30日3GBプランが1880円~。ドコモの「パケットパック海外オプション」とauの「世界データ定額」は、1日980円で国内のデータ容量を使える。国内で契約している(ドコモとauの)プランによってお得度は変わってくるが、1日当たりのプランはjetfonの方が600円~安く、600MB分を購入しても760円~で済む。

jetfonjetfonのクラウドSIM向けプラン

レンタルWi-Fiルーターとの違いはどうか。jetfiのルーターは、現在のところ1日350MBのアジア周遊プランが380円、グローバル周遊プランが420円と、jetfonと肩を並べる安さだが、これらはキャンペーン価格。本来は前者が680円、後者が980円なので、通常価格はjetfonの方が安い。他社でも、1日300円~という料金はなかなか見かけない。「業界最安」という冠は付けていないが、最安クラスと言っても差し支えないだろう。

H.I.S.モバイルが提供する「変なSIM」は、1日200MBのプランを500円で購入できる。Jetfonの場合、アジア以外は1日300MBが580円~680円なので変なSIMより高いが、データ容量は100MB多いのでいい勝負といえる。またアジアに限れば、jetfonの方が価格も安くてデータ容量が大きい。

jetfon他社サービスとjetfonの比較

jetfonの端末代金として、3万9800円(税別)の初期費用はかかるが、クラウドSIMを使った通信に基本料金はかからず、使うときだけプランを購入すればいい。国内ではSIMロックフリースマホとして、キャリアやMVNOのSIMカードを入れて使い、海外に行くときだけプランを購入すればよいので、余分なコストは発生しない。さらに、国内でもドコモ、au、ソフトバンクのネットワークにクラウドSIMが接続できるので、1日だけ通信したいというときのためのバックアップ回線として、国内プランを活用する手もある(料金は1日300MBなら380円+消費税)。

jetfon
アプリから事前にプランを購入すればよい

注意したいのは、クラウドSIMは音声通話に対応していないこと。海外で音声通話をするには、国内のSIMを挿してローミングをするか、IP電話を使うなどの対応が必要。MAYA SYSTEMは、jetfi向けのオプションサービスとして、海外でルーターからIP電話を1日180円(税別)で利用できる「jet-phone」というサービスを提供しているが、これをjetfonでも利用可能になることにも期待したい(サービス名が似ているので紛らわしいが)。

 

 

また、24時間980円に値下がりしたとはいえ、これもあくまでドコモとauに限った話。ソフトバンクには2段階で上限が2980円の海外パケットし放題しかなく、国際ローミング料金が割高になりがち。海外旅行や海外出張用に、予備の端末としてjetfonを用意しておくモチベーションも高くなるはずです。国内では、ドコモとソフトバンクのVoLTEに対応しているので、海外渡航が多い人は、普段使いのSIMカードを入れ、メイン端末として使ってもいいかもしれません。

ちなみに、クラウドSIMは日本向けの料金プランも用意されており、1日プランは380円に設定されています。そのため、メインのSIMカードの容量を使い切ってしまったときに、ピンチヒッターとしてクラウドSIMに切り替えるような使い方もできます。単に端末を買うのではなく、プリペイドSIM的なサービスがセットになっているのが、jetfonのおもしろいところといえるかもしれません。

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▲日本向けの料金プランも用意。海外は不課税だが、日本のみ消費税がかかる

端末はミドルレンジで、チップセットにはSnapdragon 652を採用。メモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GBと、普段使いにも十分なスペックといえます。一般的なAndroidのホームアプリとは異なり、ホーム画面とアプリ一覧が分かれていないなど、やや中華端末的なテイストは残っていますが、ユーザーインターフェイスのローカライズや、サポートなどは、FREETELでノウハウを蓄積したMAYA SYSTEMがしっかり行っていくといいます。

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アプリのドロワーがないなど、中華端末テイストが残る部分も

ただし、残念なのは、やはりクラウドSIMを除くと、ごくごく普通の端末であるというところ。端末の開発にあまり時間がかけられなかったといい、ハードウェアに関しては、ほぼuCloudlinkが提供しているベースモデルのままで、FREETELのノウハウが生かされていません。Prioriシリーズのように低スペックながら安価な端末や、KIWAMIシリーズのようなハイスペック端末にクラウドSIMが載っていても、おもしろかったかもしれません。

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▲MAYA SYSTEM側でチューニングはしたというが、カメラもFREETELのノウハウを活用してほしかったところだ

MAYA SYSTEMによると、次世代機の企画もすでに進んでいるといい、この端末はよりuCloudlink側と密に連携したものにしていくといいます。FREETELのノウハウが注入されるのは、この端末からになるでしょう。特にカメラやユーザーインターフェイスは、FREETEL端末の方がいいと感じただけに、次のモデルでは、両ブランドの融合に期待したいところです。

自社のサービスをスキップされてしまう可能性もあるため、大手キャリアが採用するスマホが対応するのはまだまだ時間がかかりそうですが、jetfonのような端末は、今後徐々に増えていきそうです。たとえば、アップルが次期iPhoneをDSDS対応にして、その1つがApple SIMではないかとのウワサもありますが、実現すれば、そこに追随するAndroid端末メーカーも出てくるでしょう。jetfonも、その先駆けとして注目しておきたい1台といえます。